20世紀ゲネラールプローベ

電影永年私財法を発布するべくゲネプロ中の備忘録。

2019-12-28から1日間の記事一覧

オルケスタとしての肉汁サイドストーリー、或いは、破られた最後のページ【肉汁サイドストーリー『さる沢』雑感②】

「アタシはチャラチャラした連中を見ると、はらわたが煮えくりかえるんだ。世の中はどう見たって、アタシのためにはない。あいつらだよ、あいつら。ちくしょう。殺してやる。てめぇらに逃げ道はねえぞ。アタシにもねえぞ」と、一人一人が思っている世界。厭…

オルケスタとしての肉汁サイドストーリー、或いは、破られた最後のページ【肉汁サイドストーリー『さる沢』雑感①】

※当エントリーは、筆者の友人である杉浦氏と彼の友人である蒼井紅茶氏が、肉汁サイドストーリーによる演劇『さる沢』の観劇に際して、観劇後の余韻と興奮によって自主制作ラジオとして収録された音源が、あまりにも滑舌が悪く、また長尺と化して自滅状況に陥…

2019年映画ワーストテン

1位 『屍人荘の殺人』(2019/木村ひさし) 堂々のワーストワン。単に映画としての酷さを極めていたからこの順位なのではない。映画としての酷さを極めつつ、最低映画でしか味わえない絶対的な高揚感と多幸感を兼ね備えて、僕らを犯しながら、僕らを射精へと導…

2019年外国映画ベストテン

10位 『名探偵ピカチュウ』(2019/ロブ・レターマン) 21世紀の『ロジャー・ラビット』。完璧にデフォルメされた可愛いキャラクターたちをフィルムノワールの世界に放り込むという試みだけで大成功している。デジタルカメラではなく、35mmフィルムカメラで撮ら…

2019年日本映画ベストテン

10位 『チワワちゃん』(2018/二宮健) 映画としての不格好さは明確で、決して誰もが認めるような完璧な傑作ではないのだけれど、すなわち、その構造としての欠陥や映画それ自体が嘆く不発感が、イコール「青春」と呼応している、ある意味メタ的な作品(この構…